2018年8月31日

日本旅行 作家さん訪問記 2:すずきたもつ さん

たもつさんの作った美しい花器に我が家で今満開のダリアを

(これ以下の写真はたもつさんの工房から)

楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、これを書いているのはもうイギリスから。

(コンピューターのコネクターが壊れてしまった(と思って)遅くなったというのも理由ですが。実は日本に行く前に電源を消していたことをすっかり忘れていたという、恐ろしいほどのアホさ加減(笑)。さっき、ようやく気がついた。)


旅の楽しさというと、観光やのんびりすることよりも、その土地土地での人との出会いが一番だと思います。人との出会いは、旅の思い出を作ってくれるだけでなく、私たちの経験も豊かにしてくれるから。

陶造形作家のすずきたもつさんとそのご一家にお会いしに行った、今回の旅行でも、そう感じました。

暖かく迎えてくださったたもつさんの工房にて。

たもつさんの作品はインスタグラムを始めてから拝見するようになって、それ以来2年ほどずっと憧れていた作家さんです。彼の土の表現力と何気ない植物との交互なインスタグラムの投稿に、魅了される人は多く、もちろん私もその一人。いつか尋ねてみたいなあと思ってから、こんなに早く、しかもこんなに素敵な形でお会いできることになるなんて。


イギリスを始め、英語が主体でのインスタグラムでは、今までになかったようなつながりができるようになりました。同じような考えや趣向の人とポジティブにコミュニケーションが取れることは、気分を盛り上げてくれるだけでなく、励まされたり、勇気をもらったり、大げさに聞こえるかもしれませんが、毎日の生活の手助けにもなったりしています。

嬉しいことに、同じことが日本に住むインスタグラマーさんたちとも出来ました。国を超え、壁を越え、会話がこうやってできるというのは、素晴らしいことですね。たもつさんとも、こうやって会話を交わしてきて、なんとなく距離が近く感じたりして。


とはいっても、実際にお会いするのはやはりドキドキものです。だから、小淵沢にあるたもつさんの工房訪問をお願いした際、先方から「泊まっていっていい」と言っていただいた時、正直、私たちも最初戸惑いました。娘もいるし、ご迷惑ではないか?初対面なのに、図々しいのではないか?しかも日本の陶芸家さんたちって、もっと上下があって、私なんかが泊まっては失礼ではないか?色々考えました。あくまでも、インスタグラムを通じてしか知らないわけだし。

でも、逆に、こういうのは縁かもしれないし、お互いを知る機会だし、娘や主人にとって、日本の家族の様子や文化を経験できるいい機会と思いました。今までのソーシャルネットワークでの会話でも、たもつさんは正直で話しやすい雰囲気があったので、私たちは直感を信じて、滞在をお願いすることにしました。


こういうのって、なんだか面白いことに、相手側も同じように考えていることが多いのですね。たもつさんも後から、そうおっしゃってました。実際、滞在して本当に良かったと思いました。とても楽しかったんですから。

実は、普段は人見知りしやすい娘のサブリナですら、あっという間に先方のお嬢さんと仲良くなってました。少し年上で、面倒見が良いお嬢さん。二人とも静かなんだけど、お互い気持ちよさそうに遊んでいる様子は、親として微笑ましい風景でした。しかも、たもつさんの工房を訪ねる際も、一緒に来ないで遊んでいたいと言ったサブリナ。結局、おかげさまで、珍しく水入らずで時間をかけてスタジオ訪問とお話しを聞くことができました。


たもつさんは、一つ一つ手びねりで器を作られています。細かい所まで丁寧に作られ、特に彼の作り出す器の縁が私は大好きです。独特のモノクロームの色合いが特徴の彼の粉引はなんとも味があり、どんな食卓にも合い、どこか素朴でかつモダンな雰囲気を作り出してくれそう。


たもつさんは、器の他に、オブジェも制作されます。植物にインスピレーションを受けているのが感じられるフォルムが多く、彼の工房やおうちのあちこちに拝見できましたが、オブジェと言っても、どれも違和感なく、そこの空気にすんなり溶け込み、まるで呼吸をしているように見えました。

彼の工房から見える美しい景色。綺麗な空気。湧き水の音。全てが、穏やかで、時に厳しく、また凛として、ここで生活をする素晴らしさを感じ取られます。

工房からの風景。曇りの日でも美しい。

たもつさんご一家と過ごさせていただいた2日間。彼らのおもてなしは、とても親切で暖かく、心から気持ちの良いものでした。近くの温泉にみんなで行き、夕食の餃子を一緒に作ったり、折り紙をしたり、花火をやったり。サブリナにとっては初めての経験も多く、全てが楽しく嬉しい思い出になりました。仕事のことだけでなく、子育てやら日常のことも話したり、笑顔の絶えない時間となりました。

私たちを暖かく迎えてくれた部屋の一角
お嬢さんの折ったこんなに小さな折り鶴!


こうやって素敵なひとときを作っていただいたたもつさんご一家には本当に心から感謝しています。どうもありがとうございました。我が家へ持って帰ってきた作品とともに、思い出も、ずっと大切にしていきますね。


たもつさんのホームページは こちら
たもつさんのインスタグラムは こちら

2018年8月19日

日本旅行 作家さん訪問記 1:ちょっきん切り絵 YUYA さん


真夏の暑い日本に来て早くも2週間目。待ち遠しかった、家族や友人との楽しい時間があっという間に過ぎていっています。娘のサブリナもおかげさまで元気で、笑顔が絶えません。日本語もどんどん出てきて、会話もずいぶんできるようになったので、うれしい限り。

滞在中に予定しているのが、日本の作家さんたちを訪問すること。今回、お会いしたいと願っていた数人の方々と事前にご連絡をさせていただきました。その訪問記をブログに書いていきたいと思います。

今日ご紹介したいのは、切り絵作家の YUYA さん
パンやお菓子の教室を開いている、奥様の圭子さんとご一緒に、東京は中野に、素敵なお家兼アトリエ Aterlier FOLK を拠点に活動していらっしゃいます。


実は、YUYAさんの作品を初めて知ったのはもう10年ほど前。今のようにインスタグラムはなく、ブログを通じて、コメント等で会話を交わしていました。

フォークアートのような要素とどこかモダンな雰囲気が混じった彼の作品は、とても暖かく親しみやすくて、見る人の目と心を和ませてくれます。

私が特に共感できるのは、はさみを使って絵を作り上げている点。イギリスでも切り絵作家は幾人もいらっしゃいますが、いわゆるクラフトナイフで作り上げるのとは違って、個性と手作り感が浮き出る感じが大好きです。


コメント等でもいつもオープンで親近感のあるお二人。実際にお会いしたのは今回が初めてだったのに、なんだかそんな気がしませんでした。お二人のお住まいに入っても、とてもリラックスできて、5歳の娘がいると、いろいろ落ち着かないのがいつもなのですが、とてもご親切にしていただき、楽しい時間があっという間に過ぎていきました。

けいこさんの作られた美味しいケーキと一緒に、おもてなしの仕方まで、どこもかしこも美しい美味しい経験!そんな幸せなひと時を作っていただいたお二人に感謝です。


お二人のお家は、たくさんのコレクションに囲まれています。それは陶器だったり、民芸品だったり、本や音楽だったり。雑誌にもよく掲載されているお二人のお住まい。事前にも何度か「狭いですよ」と言われていましたが、私は目にするのが楽しみで待ち遠しかったくらいです。実際入ってみても、そんな忠告は必要なかったかのように、隅から隅まで楽しく愛おしいお家でした。ご親切にも、写真を撮らせていただけたので、少しご紹介しますね。


今回の訪問で、選ばせていただいたのが「ホロホロ鳥と花」という作品。(一番上の写真)
大きく切り取った鳥の中に図形のようにデザインが施され、アクセントの色がまた素敵度に輪をかけています。シンプルなのに、とても斬新で、またモダンなのに、どこか昭和の香りがすると思えるのは、私だけでしょうか?我が家に持って帰って飾るのが楽しみです。


YUYAさん、けいこさん、楽しい時間をどうもありがとうございました。プレゼントもありがとうございました。


お二人の活動、作品は、アトリエフォークのサイト(→こちらからご覧になれます。

2018年8月11日

ポットフェスト・イン・ザ・ペンズ


日本到着~。
分かっていたけど、いや~、蒸し暑い!暑さと時差ぼけで、早く床についても目が覚めてしまったので、さっそくブログ書きました(笑)。

久しぶりに日本の家族や友人に会えるので、また今回の滞在中は幾人かアーティストの方々を訪問する予定なので、今からとても楽しみです。
その件もまたブログに書こうと思いますが、その前にまずは、先週末の陶芸展 POTFEST in the Pens の様子から。

風景が美しい湖水地方の街で行われます。

POTFESTは、私の亡き恩師デーヴィットさんが好きだったイベントです。(彼の最後のイベントの様子はこちらで見れます)彼に初めてお会いしたのもここ。思い出も多いPOTFESTには私も何度も足を運びました。
私が初めて出店したのが、サブリナが生まれる前ですから(その様子はこちら)今回は6年ぶりの参加となりました。

今年で25周年になるPOTFEST。25周年記念ということもあって、今年は参加者がいつもの約2倍の大きなイベントで、たくさんのお客様にも恵まれました。

足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。おかげさまで、多くの作品が新しいお家へと飛び立って行きました。皆さんのおかげでこうやって作陶が続けられるので、本当に感謝しています。


ちなみに、Pens (ペン)というのは、牛などの農家の動物たちをいれる囲いのことで、イギリスでは農家のマーケットに燐していることが多いです。ここでは何百とのペンがあり、その一つ一つの囲いをイベントの最中だけ、展示のスタンドスペースに切り替えて使われます。こうやって、ペンを一時的にイベントに解放されるところも数少なくありません。綺麗なギャラリースペースとは異なり、庶民的といえばそうですが、とても親しみやすい雰囲気で、比較的参加費が低額なのが特長です。(ちなみにイベント前は農家の方々がペンを洗ってくれています。)
背景に写っている白いグランドシートのようなものは、囲いを隠しているために設けられていました。

写真を楽しんでいただけたら嬉しいです。いつもブログを見に来てくださってありがとうございます。


まき x

こんな投稿もありました。