今日、サブリナ、本格的に初めて砂遊びをしました。
「初めて?」って驚く方も多いと思います。子供と砂遊びは離せないもの。それこそ、いろんな感触を覚えるのに赤ちゃんの頃から勧められる、保育園でも公園でも欠かせない遊びの一つですよね。では、なんで、今かというと。(ちょいと長話になります。)
ブログを長く読まれてる方はご存知だと思いますが、(→この記事)娘のサブリナは盲目で生まれました。ピータース奇形という稀な目の先天性異常で、治療法は無し。唯一視力を与えられるものは、成功率が著しく低い角膜移植手術のみ。不幸中の幸いか、私たちはヨーロッパで第一線に立つ角膜移植主治医に出会え、手術も生後11週間目で行われ、無事成功。といっても、拒絶反応の可能性は一生続くので、リスクは未だに伴います。
短く言うと、砂遊びは禁止だったのです。リスクがあまりにも高いから。砂そのものはそうでなくても、砂が幼児の目に入ると、ほとんどの幼児がまず目をこすりますよね。こすって、砂や砂利が角膜の表面に傷をつけ、炎症を起こし、結果拒絶反応が起きて最悪の場合失明に至る可能性があるからです。医者にも避けれれば避けるようにと言われてきました。
保育園でもリスク大な砂遊びはサブリナは禁止。もちろん他の子供と同じように遊んだりしてほしいけど、団体行動で先生の目が行き届かないし、子供達はまだ手のコントロールが効かないから、スコップで砂を振り上げて他の子の顔にかかることだって考えられる。「気をつけて」っていったり、「目こすっちゃダメ」って言っても、小さい子がその通りになるわけでもないので、もう少し大きくなるまでは見通しとなっていました。
もちろん、過保護すぎかなとか心配しすぎかなと思うこともありました。砂遊びやらせてあげない悪いお母さんに感じることもありましたが、砂遊びの「楽しさ」「経験」と「失明の可能性」を秤にかけたら、やっぱり、比べようがなかった。彼女が生まれてからの大変な道のりと、奇跡としか言いようがない今の彼女の目の状態を考えたら、「砂遊び」程度でリスクを抱えられなかった。
じゃあ、なぜかというと。いや、本当は砂遊びをする予定ではなかったんです。たまたま職場にお散歩に行った結果のことで、でも実に良い結果やったわ。職場でもあるヘンショウアート&クラフトセンターは、もともと動物園だった広い敷地で、大きな中庭があります。そこへ、毎年1回、地元の町の夏祭りの間、砂浜が登場するのです!(こんな感じ!)
もちろん、海からは遠いヨークシャーのこの町のど真ん中に砂浜ができるわけだから、子供達を連れた家族で大にぎわい。サブリナにも、「ちょっと、お母さんと一緒に砂浜に入ってみる?」って聞いてみたけど、答えは「ノー。」近ずくことすら嫌がってた。多分、今まで砂遊び禁止をわかってるので、自分でもダメだと思ったのかな。
で、帰りがけに裏門の近くで少しだけ砂が溜まっているところを発見。多分、砂浜作業中におこぼれした砂達だと思うけど。サブリナここで止まって、砂に手を当ててみた。最初はそおっと、次は手を砂の上で動かして、混ぜて、摘んで、ぱらぱらぱらって。その時の笑顔と言ったら。「マミー、サンド(砂)、サンド!!」大喜びで話してくる。「靴脱いでみる?」と聞いたら、喜んで裸足になり、砂の感触を思い切り味わって。「お母さん、こうやって」って砂の遊び方を教えてくる娘。「見てみて、サブリナの足ー!」「お母さんも靴脱いでー」心の底から楽しそうな彼女を見て涙が出そうになった。もちろん、気をつけてみていなければいけなかったけど、サブリナちゃんと目に入らないように遊んでた。「大きい砂浜の方にも行ってみる?」と誘ってもみたけど、答えはやっぱり「ノー」だった。「大きいのはみんな、サブリナはここ」と幸せそうに言ってくる。私も裸足になって、誰もいない小さな砂だまりで、数時間遊んだ。
長く待ちすぎたかな。心配しすぎたかな。とも思うけど、ともあれ本日サブリナ砂遊びデビューしました。しかも大成功。まx