2017年5月29日

決断の時


先週の金曜日は最後の職場の日でした。8年間、陶芸講師として働いたアートセンターを辞めました。同僚や生徒さん、また生徒さんの親御さんからにも、あたたかい言葉をいただき、感慨深い最終日となりました。

イギリスに来て、陶芸のディプロマを修学したのが2000年。あれ以来17年間、社会福祉介護士として、勉強し、資格を取り、私の専門は知的障害者や自閉症の成人の方々で、病院、学校、デイセンター、自立(あるいは半自立)して生活しているお家等、様々な場所で働かせていただきました。専門学校の学寮でチームリーダーとして働いていた時期もあり、キャリアアップも考えていました。そんな中、今は亡き恩師デービットさんの工房で(→この記事)、休みの日は働かせていただいていた期間もありましたが、陶芸の夢は隅に置き去りのまま。逆に彼の姿を実際に目にしてきたからこそ、私には陶芸を一からやって行く勇気と覚悟がなかったんだと思います。

8年前に陶芸講師の仕事に就いて以来、心機一転。粘土復活でとても嬉しかったのを覚えています。生徒さんたちの障害に関わらず、豊かな想像力にいつも励まされてきました。タタラが上手に伸ばせるようになったとか、作りたい器や彫刻が仕上がった時の喜びとか、一人一人の小さな前進、小さな感動を応援してきました。そんな立場に務めさせていただいて幸いでしたね。

しかしながら、教室を行うのと自分で作陶するのは、やっぱり違いがありますし、実際自分が作陶を本格的に開始したのは、残念ながらデービットさんがお亡くなりになった後でした。癌と闘っていた末期、私に「あんまり教えてあげれなかったな」とおっしゃって、とてももどかしい気持ちになったのを覚えています。もちろん、教えてもらったことは山ほどあるのですが、それを実際に陶芸家として実践していない私を見て思ったことでしょう。頭の隅に、彼の言葉がいつも残っていましたが、やっぱり勇気がなかった私でした。

娘の事情で(→この記事)3年間作陶を休んだ後のこの一年間、講師の仕事と週一日の工房での作陶と両立してきました。それで気がついたことは、とにかくやりくりが大変だということ。タイミングが合わず、夜勤もやむおえない時も多く、疲れるしストレスはたまるし、子育てしながら、2つ仕事をやりくりすることに疑問を持ち始めました。自分が本当に目指していること、やりたいことは何か。優先順位は何なのか。そんなことを自問自答しながら、答えを出すには、やっぱり勇気と覚悟が必要でした。そして、今、その一歩を踏み出す決心をしました。

明日から、作陶一本でやっていきます。私にとっても家族にとっても、新しい出発。大変だけど、決心してすがすがしい気持ちです。(たったの17年かかりました!笑)

自分のことを信じてくれる家族に感謝。今までずっと見守ってくれていたデービットさんに感謝。そして、ブログを通して応援してきてくださった皆さんに感謝いたします。これからも、よろしくお願い致します。

2017年5月14日

スタジオ作りの話 その2

最近のスタジオの様子。掃除が楽になりました。

ここ2週間で、スタジオの床のコンクリートを敷く作業とスタジオの整理をしました。作業は、まずは棚にあげられるものは全部あげて、あとは全てのものを庭に立てたテント内に移動することから始めました。窯や釉薬のバケツなど、重た~いものも一杯あるので、大変でしたが、主人と二人で頑張りました。


では、なぜ今更コンクリの敷き直しをしたかというと。

長い間ブログを読んでくださっている方は、覚えているかもしれませんが、スタジオ作りを始めたのは2007年。かれこれもう10年前に遡ります!全て自分たちで一から手をかけて2011年にやっと仕上がったものでした。(その様子はこの記事→をご覧ください。)
当時は陶芸をまだやっていなかった私、違う仕事でキャリアアップを目指していたので、陶芸のスタジオは贅沢な夢。なので、資金的にも制限がありました。本当なら、プロに頼んだり、表面がツルッツルになるようなコンクリの床の方がいいのですが、毎日使うわけでもないから、粗めの仕上がりのコンクリの床を敷いたのです。でも、やはりこれでは大変でした。

というのも、粘土には「シリカ」が含まれていて、乾いた粘土の埃を吸い込むと体に害を及ぼします。そのため、埃をためないようこまめな掃除が大切なのですが、表面がボコボコしていた床は、埃がたまるたまる。どんなに掃いても、モップかけても、やっぱり埃がたまりやすくて、掃除嫌いな私は、時間も限られているし、きちんとした掃除を怠る日が続きました。しまいには、床の塗装も剥げてきて。埃もストレスもたまる一方。だらしないといえばそれまでなんですが。

娘が生まれてからは、埃が心配で、彼女はスタジオには入れませんでした。3歳を過ぎてから、スタジオを再開した私をわかるようになり、今では「お母さんはスタジオで働いてて、器を作ってる」ということを理解するようにもなりました。やっぱり娘にお母さんの働く姿も見てもらいたいと思って、資金を出してでも、床をきちんとしようと決心。


ビフォー&アフターの写真が上。今回も大活躍の旦那さんのおかげで、綺麗な床になりました。道具も壁にかける形にして、作業台を掃除しやすく、床に置くものも動きやすくキャスターを付けたりして、床拭きが簡単になるようにしました。娘もいつかスタジオに来てくれるといいなあ。