先週の金曜日は最後の職場の日でした。8年間、陶芸講師として働いたアートセンターを辞めました。同僚や生徒さん、また生徒さんの親御さんからにも、あたたかい言葉をいただき、感慨深い最終日となりました。
イギリスに来て、陶芸のディプロマを修学したのが2000年。あれ以来17年間、社会福祉介護士として、勉強し、資格を取り、私の専門は知的障害者や自閉症の成人の方々で、病院、学校、デイセンター、自立(あるいは半自立)して生活しているお家等、様々な場所で働かせていただきました。専門学校の学寮でチームリーダーとして働いていた時期もあり、キャリアアップも考えていました。そんな中、今は亡き恩師デービットさんの工房で(→この記事)、休みの日は働かせていただいていた期間もありましたが、陶芸の夢は隅に置き去りのまま。逆に彼の姿を実際に目にしてきたからこそ、私には陶芸を一からやって行く勇気と覚悟がなかったんだと思います。
8年前に陶芸講師の仕事に就いて以来、心機一転。粘土復活でとても嬉しかったのを覚えています。生徒さんたちの障害に関わらず、豊かな想像力にいつも励まされてきました。タタラが上手に伸ばせるようになったとか、作りたい器や彫刻が仕上がった時の喜びとか、一人一人の小さな前進、小さな感動を応援してきました。そんな立場に務めさせていただいて幸いでしたね。
しかしながら、教室を行うのと自分で作陶するのは、やっぱり違いがありますし、実際自分が作陶を本格的に開始したのは、残念ながらデービットさんがお亡くなりになった後でした。癌と闘っていた末期、私に「あんまり教えてあげれなかったな」とおっしゃって、とてももどかしい気持ちになったのを覚えています。もちろん、教えてもらったことは山ほどあるのですが、それを実際に陶芸家として実践していない私を見て思ったことでしょう。頭の隅に、彼の言葉がいつも残っていましたが、やっぱり勇気がなかった私でした。
娘の事情で(→この記事)3年間作陶を休んだ後のこの一年間、講師の仕事と週一日の工房での作陶と両立してきました。それで気がついたことは、とにかくやりくりが大変だということ。タイミングが合わず、夜勤もやむおえない時も多く、疲れるしストレスはたまるし、子育てしながら、2つ仕事をやりくりすることに疑問を持ち始めました。自分が本当に目指していること、やりたいことは何か。優先順位は何なのか。そんなことを自問自答しながら、答えを出すには、やっぱり勇気と覚悟が必要でした。そして、今、その一歩を踏み出す決心をしました。
明日から、作陶一本でやっていきます。私にとっても家族にとっても、新しい出発。大変だけど、決心してすがすがしい気持ちです。(たったの17年かかりました!笑)
自分のことを信じてくれる家族に感謝。今までずっと見守ってくれていたデービットさんに感謝。そして、ブログを通して応援してきてくださった皆さんに感謝いたします。これからも、よろしくお願い致します。