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会場は大自然に囲まれたピークディストリクト。写真は嵐の前日。
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先週末に行われた ワードロー・マイヤーズ陶器と食のフェスティバル。大雨の中のキャンプで参加でしたが、無事に帰ってきました。悪天候にもかかわらずたくさんのお客様で賑わい、楽しいイベントでした。来ていただいた方々には、心から感謝いたします。
今日は、そのイベントのまとめと、参加した陶芸家の方たちの作品をいくつか紹介したいと思います。
「食卓の祝い」と題して、行われるこの展示会。
日本の食文化で育ってきた私には、食器の世界が普通にあったほうなのかもしれません。とは言っても、大量生産される陶器が世の中にたくさん出回る中、またネットでもデザイン重視の器が簡単に手に入る今、作家さんの作る器を家庭で使うのは、考えるほど容易なことではないのかもしれません。もちろん値段もかかりますしね。
でも、イギリスでもやはり最近は、自宅でご飯を作り、家族やお友達との時間を楽しむことが大切と見直されてきていますし、多くの人たちが、「手作りの器の良さ」をもっと身近に味わい始めてきているんではないでしょうか。
そんなことを考えながら、「食卓の楽しみ」をモットーに器作りを心がけている私。このイベントにはかなりの期待がありました。昨年、初めて会場に客として足を入れてみて、期待をはるかに超えるほど感激しました。一般的に、イギリスで行われる陶芸のイベントは、食器がメインでないのが多く、彫刻やデザイン性の高い作品にどこか負い目を感じていました。でも、このイベントは食器がメイン!だからこそ、このイベントに今年自分が参加できて、その感動と喜びは言葉で表せないほどでした。
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今回の私のディスプレイ |
いざ、本番。何十人ものベテラン作家さんたちの素敵なディスプレイが次々と立っていく中、自分のディスプレイを立てていくのは、正直気後れしました。高さもインパクトもない、初心者堂々のディスプレイやと、落ち込んでもいました。私たちの車は大きなトラックでもないし、キャンプの用具や娘も車に乗っていたし、と言い訳はありますが。でも、こういう場所で他の方のディスプレイを見ながら学ぶのが一番勉強になるのですよね。今後、こういう経験と共に、改善していきたいと思います。
写真でもわかるように、私の現在の作品「らくがき」と「まぜこぜ」の2種類のシリーズを左右対称的にディスプレイしてみました。今回のイベントで、最も嬉しく、参考になったのが、お客様からのご意見でした。多くの方から共通するご意見をいただき、気が付かなかったことを言われて面白いなあと感じたのです。
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らくがきシリーズのマグとジャグ |
例えば、「らくがき」シリーズは、多くの方に「北欧調」の雰囲気があると言われました。私は北欧調のインテリアや暮らし方に憧れはありますが、意識して作品を作ったりしてはいなかったので、びっくり。でも、そうやって合意的にでなく、自然に現れたのであれば、それは嬉しいこと。
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まぜこぜシリーズの入れ子の器 |
また、「まぜこぜ」シリーズの釉薬の色合いや手触りは、今回とても評判が良く、時間をかけて作ってきた釉薬であるからこそ、非常に嬉しいものでした。「自然な色合い」「目にも手にも優しい感触」というお言葉もいただきました。
作品全体に関しては、「日本人らしい」細かいところまで丁寧な心配りがあり、その反面、西洋的な自由な装飾スタイルを持っていると、多くの方におっしゃっていただきました。いわゆる「シンプル」という表現だけでなく、より掘り下げた描写をしていただいて、私自身興味を持てました。
器大好きな私なので、他の陶芸家の方から目が離せないのはもちろんのこと。ここからは、今回のイベントで、特に心を惹かれた方々をご紹介したいと思います。
イザベルさんは以前から私の大好きな陶芸家の一人。カラフルでリズミカルな装飾は見る人に元気を与えてくれ、彼女のマグは我が家でも毎朝登場します。
そんなイザベルさん、私にとって実は今回のイベントの柱になった方。前々からいつも作品を褒めていただいたり、勇気づけてくれたりした方ですが、今回のイベントに参加するよう昨年背中を押してくれたのが彼女でした。そんな優しくてたくましい方に出会えて、本当にラッキーだと思います。イザベルさん、いつもありがとう!
今回のイベントで初めてお声をかけてくれたマーガレットさん。実は私のブログをいつも読んでいてくれていたそう!ブログで、娘のサブリナのことも書いていたりしたので、彼女と実際にお話しした時、なんだかとても身内のような気がしました。
マーガレットさんは伝統的なスリップウェアーを作られていますが、どれも自然の生き物や植物が表面に描かれているのが特徴。
その中でも、このちょっと変わった取っ手のついたフクロウさんの器に私は一目惚れ。素敵な作品を我が家に持って帰りました。マーガレットさんありがとうございました。
私のお向かいにディスプレイされていたフリーンさん。彼女の作品は実際に見たことはありませんでしたが、著名な陶芸雑誌に紹介されていたので、そちらで拝見したのが初めてでした。塩釉を使った独特な表面にはフリーンさんのアイコンでもある印模様が施されています。
今後、ホームページの改善とオンライショップの設定を考えている私に、ご親切にいろいろなアドバイスをくださいました。もうすぐ、赤ちゃんが生まれる予定の彼女。会場に来ていた私の娘とも一緒に楽しい時間を作ってくださいました。
ベンさんの特徴である、自由奔放でどこか原始的でもある描写に、魅了される方も多いと思います。だって彼の作品を見たら笑顔が出るもの!
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ベンさんのお皿たちは見ていてどれも元気が出るものばかり
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「らくがき」シリーズで絵を描くこともあって、他の作家さんからはいろいろ影響を受けたりしていますが、彼もその一人。いつもフェイスブックでお話ししていたので、こうやって実際お会いしても、初めてではないような気がしました。想像していたような、おおらかお人柄の彼。お子さんのことや、イベントのことなど、いろいろお話ししていただけました。
ずっと彼の作品を欲しいなあと思っていた私。ようやく、一品手に入れました。
イベント会場では、会場が開く前に、自分たちもあれこれ見て回ったりする時間を設けたりするものですが、そんな中、私が一番惹かれたのが、実はシーラさんの作品でした。
シーラさんは陶芸用の鉛筆を使って線で模様を施していきます。私も昔の「らくがき」は、鉛筆を使っていたので、とても関心を持てました。さらに、彼女の作品は、黒目の粘土と対象に明るい色が加わって、器の形も少し変形したり、エンボスを加えたりと、可愛らしさが倍増。
特に、このお花の取っ手のついたジャグに私は一目惚れ。ご本人もとても愛らしいお方でした。
最後に、この素晴らしいイベントの開催者でもあるパットさん。イギリスではもう長いこと親しまれてきているベテラン陶芸家です。何よりも彼女の気さくで、暖かで、そして楽しいお人柄に惹かれる人たちも多く、私ももちろん、彼女のおかげでなんとか地に足がついて仕事ができました。
パットさんの作ったティーポットと湯呑み、大切に使わせていただきます。
長いブログに付き合っていただいてありがとうございました。お気に入りの作家さんはいらっしゃったかしら?名前をクリックするとそれぞれのサイトにいきますので、ぜひご覧くださいね。